2012年8月15日

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者様


ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者様

コミニュケーションの重要性


リハビリにおいて患者様や家族様とのコミュニケーションは欠かせないものです。

それは患者様又は家族様が何を望んでおられるのか、どのような生活を送りたいのかを知り、目標を立てるためであり、信頼関係を築く手段です。

そしてその目標に向かってリハビリを行うわけですが、残念ながら病気の進行を止められない疾患も存在します。

その一つに筋萎縮性側索硬化症(ALS)という疾患があります。これは原因不明の進行性疾患で、眼筋と外肛門括約筋を除く全筋肉に筋萎縮と筋力低下をきたします。
進行性のため徐々に機能が低下し、その都度障害受容に迫られます。特に呼吸機能は生命に直結するため患者様にとって想像し難い不安感を伴います。
夜不安で眠れず、慢性的な睡眠不足や抑うつ状態を呈することもあります。

また最も重要な能力としてコミュニケーションがあります。構音障害によりコミュニケーションが取れないと、ストレスの原因となり著明なQOLの低下をきたします。
松◯さんは現在コミュニケーションが取れていますが、病状の進行に伴い、意思伝達装置や特殊スイッチなどを工夫してコミュニケーションをとる可能性があります。

会話としてのコミュニケーションが無くなると無言でリハビリを行うという事態にもなりかねません。
そうなると痛みの有無や程度も分からず一方通行なリハビリになってしまいます。
また心理的にも非常に不安定になると想像されるため、意志疎通は重要であり、ニーズを把握できればQOL維持にも繋がるため、コミュニケーションを取れる環境を整備するということは生き抜く上でとても重要なことだと考えます。

『癒し癒され』土屋ナース

訪問看護は大変な面もありますが楽しくもあります。
それは私も含め、ほとんどの看護師が感じたことがある「もっと患者さんと接したい!時間がない!」というジレンマ。

それが訪問看護の場合は訪問中はがっつり利用者さんとじっくり対峙できる。十分とは言えないまでも邪魔するものが少ない環境で接する事ができる。そして思うのは、利用者さんに癒されているという事実。

訪問する側が癒されてどうする?と思われるかもしれませんが、こちらが緊張すると相手も緊張してしまいます。お互いに癒し癒され…楽しく元気になれたらいいなあと思いながら日々、容赦ない日照りの中に出ていくのでありました。

2012年8月14日

お腹がはって恐怖を感じパニックになる。

脊髄損傷をすると、場所によりますが、多くは自力で下半身をうごかせなくなります。同時に肛門、膀胱、括約筋がはたらかなくなり、便意、尿意も感じなくなります。

訪問看護では、排便コントロールとバンルカテーテルの管理が必要になります。リハビリテーションやリンパマッサージもとりいれています。◯岡さんは口は悪いですが、さっぱりした男性です。

しかし、知らず知らずにパニックのスパイラルの中に入ってしまっているようです。先程まで、機嫌良くされていたのですが、急に腹満と呼吸困難で、すぐ来てくれと騒ぎだします。救急車を呼ぶ!とも

私自身はこのような方には、そう思っていても、パニックの時は諭すように話、しばらくパニックに付き合うようにしています。

しかし、パニックになっていない時に、自身でそれに気づくように、努力されなかったり、生活の改善や精神面での努力(感謝の気持ちをあらわせなかったり、自分を信じ、他人を信じる、ありがとうを一日100回から1000回となえる。)

そのようにしていただけない方は、神様も見放してしまうので、私達も助けようがありません。
どんなにしんどくても、くるしくても、人間は生きていかなければいけない。だから、身体も精神も自分でコントロールする、その方法はこちらで、お教えします。

お教えした事をやっていただければ、幸いです。やってくださった方のほとんどは良い方向に向かわれ、穏やかになっています。苦しい時だけの神頼み、りゅうじんだのみでは、ダメです。日頃からじぶんの身体と向き合い、付き合っていきましょう。

2012年8月13日

かっこいい84歳 (山崎ナース)

人間は生まれた時から死が近づいている…って言いますよね?
私が訪問している今◯さんですが、今年でおん年84才だそうで、今日も『いつ死んでもええんや』とエガオで言われます。
そんな今◯さんを密かにカッコイイじいちゃんだなぁ~と思っています。独り暮らしですが、恐らく不自由なことも多少あるでしょうが、死を当たり前に感じ、それを受け入れて生活している姿に天晴れだと感じます。

訪問するこちらが勇気や元気をもらいます。なかなか、死を受け入れられなくてたくさんのこだわりを抱えて生活しているお年寄りもたくさんいますが、今◯さんは天晴れです

先日、病院の先生とトラブルになり、するはずだった手術を断りました。今◯さんが許せなかったこと…それは、『嘘をついたから』でした。大人になればみんな多少の嘘をつくことがあります。
でも、今◯さんは『みんな信頼関係で成り立っている。それを、壊してしまうような医者にはみてほしくない!!』とキッパリ。正直カッコ良かったです

私も、子供の頃親から嘘をついてはいけないと教わりました。大人になるにつれ、そういう大事なことを大事と思わなくなっていた気がします。それに、改めて気づかされました。ほんの、些細な出来事です。でも、私もそういう大事なことを大事だ!!と言える大人になりたいと思います。
以上です。

いろいろな患者様③認知症

認知症、透析、心臓疾患を持った一人暮らしの男性です。
とても穏やかで人望のあった方のようで、民生委員の方が病院に付き添ってくださったりします。
相対的に同じことを繰り返しいわれたり、固執することがあり、固執している間は、誰がなにをいっても、納得されません。

介護者側が自分の考えだけで、説明もせず、やってしまうなら、必ず抵抗されます。認知症でも、考える力があります。選ぶ能力があると、理解していることを伝えなければ、なりません。今の日本の医療では認知症の人を入院させられる状況ではありません。病院には認知症の人について、介護できるほどひとがいないのです。

認知症の人は他に疾患があっても治療できません。この人も意識を無くして救急車で運ばれましたが、翌日帰宅しています。(一人暮らしの自宅に)借金があり、生活保護をうけています。施設にも入れないらしいです。この方に対して、私達のできる事はどの位なのか、無いに等しいと思うと、なんとも言えない気持ちになります。

2012年8月11日

いろいろな患者様②認知症

在宅で過ごしている方の中では、介護保険を使いながら、入退院を繰り返しされ、月のうち、二週間だけ訪問看護を使っている人もいます。90歳近くなられ、娘さん以外には心を許しません。

娘さんが仕事の時、伺って、血糖と血圧を測定し、同時に入っているヘルパーさんに報告します。
ご本人は看護師の顔をみると、思いっきり、「ふん!」と音を出して、抵抗をされます。血圧測定中、暴れたりもします。

血糖は専用の測定用のはりで、指の先から、血を出して、測定するのですが、血を出した瞬間、暴れて、血があちこちについたりします。最初はどうして良いかわかりませんでしたが、最近は何をするにも、お願いをしています。お願いをして、手を出してくれたら、ありがとう、を繰り返しています。
にらんでいるので、優しくしてほしいともお願いするようにしてます。

サヨナラの握手もしてくださるようになり、まずまずに接してくださっているので、満足しています。
多くを望まず、今の状況を維持する、それがご本人にとって、家族にとって、私達にとって大切です。

2012年8月5日

いろいろな患者様



看護の仕事をしている人は、このような方々に沢山接していると、思います。死にたい、と言われるかたのほとんどは、深刻です。

しかし、私達は深刻に受け止めるのではなく、長い目でその方との対応をする、必要があります。

今日新しく、受け入れした方は、脳梗塞、左麻痺、糖尿病、精神疾患があり、自殺未遂を数回繰り返されてます。

ご両親もなくなり、ご兄弟とは縁を切っているらしく、頼れるひとは、ケースワーカーとヘルパーさんだけ、とても大変な境遇であっても、ご本人に責任がないわけではありません。

自分の身体に対するいたわり、食べているもの、生活態度、自分でコントロールしなければ、なりません。場当たり的な生活や快楽にばかりふけることを続けると、そのしっぺ返しは身体に精神にやってきます。

ただ、それだけではないので、いつくしむ心や暖かい心で看護にあたらなければならないと、いつも思います。