2011年10月10日

在宅中心静脈栄養(HPN)




中心静脈栄養

点滴でカロリーを心臓の近くの血管にいれ、消化機能を使わなくでも、カロリーを補給できる。活気的な治療法です。

以前は中心静脈に針を刺して、カテーテルで留置していましたが、いまはポートというものを手術で皮膚の下に埋め込み、刺したり、抜いたりをできるようになっています。

通常の点滴をいれるより、苦痛は少なく、いつも水分がとりにくいお年寄りやご病気の方は常時水分やカロリー補給ができます。

良いことも有りますが、感染はおこしやすく、水分代謝がわるくなり、内蔵を使わないことによる、機能低下などの弊害もあります。

在宅では、退院時にご家族様に取り扱い方(機械の使い方、点滴全体の取り扱い方)について、指導され退院されることが多いです。老々介護で、他の家族さんが同居されていない場合は、交代体制で別居の家族さんに入ってもらいながら、ルート交換などは訪問看護師がしていく、ケースもあります。機械が性能が上がっており、トラブルはほとんどおきません。トラブルを回避するためにも、家族さんと看護師のコミュニケーションがとても大切です。

これまで経験のない機械の取り扱いや、点滴の取り扱いに戸惑う方もたいへん多くいらっしゃいます。それでも1ヶ月、2ヶ月と期間がたつにつれプロなっていかれるのを感じます。

他の治療法も同じですが、とても調子が悪い時(重篤になった時)に慌てず、騒がす、恨まず、落ち着いて治療を受ける事で、自然回復を呼ぶと思います。

身体には自然に治っていく力があります。落ち着いて、今大丈夫だなあとご本人が思える時に、食事や運動など、リハビリをすすめていくことが大切でしょう。

どんな治療になっても、どんなに管がたくさんはいっても終わり、ということなく、はじまりです。

中心静脈栄養になり、食事をとれなくなっても、又回復すれば、元気になる。ということです。
このようなアドバイスは定期的にしていかないと、わかるようになりにくいのだと思います。だから、訪問看護が必要なのです。私たちは毎日それを説明、確認に訪問看護に行っています。

100人いれば100通りやり方があり、考え方があります。しかし病気になるということは、その患者さん自身の問題が一番大きいのです。一人でもみかたを増やし、協力をしてもらい、マイナス感を持たず、心配しすぎず、できることを努力してみましょう。